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インボイス制度に関して
令和元年10月1日より、消費税10%時代、軽減税率8%が開始されました。税理士としては一言コメントしなければ収まりません。何故この様な「民間イジメ」の様な馬鹿げた制度が現実に始まってしまったのか。そして、「インボイス制度」の導入が決まっています。私は国税出身であり、国税の論理、主張は理解している積りですが、今回の軽減税率とそれとセットでのインボイス制度には、どう考えても先見の明がない「失策制度」と言わざるを得ません。かつて「ぼやき漫才」というのがありましが、ぼやかずにはおれません。
評論家ではありませんので、簡潔に申しますが、平元年に消費税導入時に、零細中小企業への帳簿記録等への配慮から「3000万以下の免税制度」、「2億円以下の簡易課税制度」が担保され、平15年改正で、3000万が1000万に、2億が5千万に改定されたのですが、この免税制度を事実上廃止するのと同様なのが「インボイス制度」な訳です。インボイス制度は通称であり正式名は「適格請求書保存方式」です。要は「消費税を申告納税している商店や企業、会社である」という証明番号を税務署に発行して貰って、その番号を記載した「請求書」でなければ、払った方は「課税仕入」として消費税を計算して控除出来ない。こういうことです。
30年間存続してきたが、もう免税制度は廃止だと言っている訳です。インボイス制度は欧州など消費税同様の付加価値税導入の国では当たり前の制度であって、日本の帳簿記録方式は特異であるという説明が多くされています。国は都合の良い時だけ、世界的に見て、日本は例外だから世界基準になど論法しますが、果たして世界基準と日本とでどっちが素晴らしいのか。これを子細に分析する必要があるのに、敢えて言いません。どうしても消費税率10%にアップするについて、食料品等を考慮したいのなら、食料品はいっそ「0」にすれば良いです。単一税率と複数税率では単一がシンプルで良いに決まっています。
野党は消費税率アップ反対と言うだけで、インボイス制度への移行については、大きな論戦を忌避していました。他のつまらぬ「モリカケ問題」を延々と国会で展開していただけです。嘆かわしい限りです。
複数税率でどれだけ企業の経理手間が複雑化するのか、税理士は実態を痛いほど分かっていますが、「民間に手間も金もかけさせ」その上に成り立つ税制など、本末転倒です。マスコミ報道ももっと事の本質を取材して正論を報道すべきです。
税理士として余りに腹が立つので、コメントさせて頂きました。