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税務調査の歴史②

前回の税務調査の歴史①の続稿が随分遅延しましたことをお詫び申し上げます。本年早々から事務所業務に全く関係のない私事都合上で時間を割く事が沢山御座いました。やっと一段落しました。少し時間的に余裕が出来る状態となりましたので、情報提供を再開致します。

さて、税務調査の歴史的な変遷について簡単に見ていきます。昭和20年8月の敗戦によって、日本は米国の占領下に置かれ、税制に関しても、ご承知の方も多いシャープ勧告(米国の税法学者シャープ)で戦後の税制が敷かれました。シャープ博士は、我が国が奇跡と言われた戦後の経済復興を遂げる事が出来た「影の恩人」と評価される学者です。当時の大蔵省官僚にすれば「占領国の40代後半の学者如き」が日本の税制を意見するなど「苦々しく感じた」に違いありません。シャープ博士が官僚の意見や講釈より、その目と耳で全国を4ヶ月精力的に行脚して膨大な調査資料を基にして「世界最高の税制を日本に構築する」ことを理想として、GHQに報告書を提出、GHQはほぼその原案通りを勧告しましたので、政府は多くの反対意見があっても、勧告通りにするしか無かった訳です。この話をしていると前に進みませんので、シャープ勧告の話はお終いとします。(シャープ美談もあります「カールシャープコレクション横浜国大」で検索すれば分かります。)

申告納税制度とは納税者の良心を期待するシステムですから、悪しき納税者を厳しく調査する必要があります。それが税務調査の根本です。

全申告納税者を毎年調査出来る訳もなく、膨大な納税申告書から問題の多いと想定される納税申告を選別し、厳正な調査を実施するのが、税務署の最大の仕事です。これは昔も現在も変わらない原理と言えます。申告納税制が戦後スタートし、税務調査が法的に担保されても、調査の手法、選定の技法、調査官の教育、研修、これ等を整備しませんと、税務調査など絵に描いた餅に過ぎません。私が税務大学校普通科(高卒の1年間の研修所)を出て、3ヶ月の短期研修(税大は4月~翌3月の1年間。署の異動が7月のため、税大卒後の4月~7月までを「短期研修」と称した税務署第一線に配属目前の実務研修を行うものです)を無事に終え、税務署に奉職した昭和50年、税務署は、俗に言われる「お役所」とは全く異なる「良い意味での競争原理」「事務効率を追及する」活気に溢れた職場でした。既に当時、大阪局は今のKSKシステムにも劣るどころか先進的で優れた(私の独断)「ADPシステム」を他局に先行して導入実施しており、勿論電算化も随分進んでいました。税務調査の黄金期とでも呼べる位、優れた「税務調査官」がキラ星の如く、沢山おられました。調査の仕事とは、職人的な仕事です。腕の良い、優れた職人が若い職人を育てる訳です。架空仕入れの鬼、現況調査の達人、銀行調査の神様等あだ名が付いていました。当時にまだまだ「反税団体」と呼ばれる「税務調査は憲法違反だとか」「税務調査を拒否すべき」とか、「自主申告を尊重しろ」など、税務調査の現場では様々な障害も多発していました。税務署員は今もそうかも知れませんが、「天下の嫌われ者」。職員は、勤務先が税務署とは名乗れずでした。税務署員の家には「石を投げ付けられる」と言われたものです。国民的な映画と言われた「フウテンの寅さん、男は辛いよ」の映画で、「税務署から電話です」と言われ、ヒロシが勤務する印刷会社社長が嘆くシーンが毎回ありました。今年平30年は国税庁長官が確定申告の真最中に辞職、続いて財務省トップも辞任という非常事態がありました。昔なら、税務署に抗議者が押しかけ、大騒ぎが当たり前でしたが、成熟した納税環境下?なのでしょうか、大きな混乱もなかった様子でした。

税務調査が昭和50年代の黄金期?から現在はどうなったのか?。私は更に益々進展したとは残念ながら言えない。こう感じています。その原因は、消費税という魔法の様な税の登場が大きく影響していると感じます。消費税という新税導入で、税務署国税組織は大きな曲がり角を迎えた訳です。消費税は法人も個人も普遍的に関係する新税でした。また物品税が無くなった訳です。直接税たる所得税、法人税は減税になりました。赤字企業も消費税は納税不可避となりました。消費税前は、所得税や法人税を誤魔化すには収入減か原価、経費増が必要であり、これを税務調査は追及したわけです。しかし消費税導入後は、赤字企業でも消費税は納税発生ですから、劇的に納税する納税者が増加した訳でした。新税導入は、執行機関の国税庁、国税局、税務署に取って大変な事務量の増加でした。関税職員の配置換え、新規採用職員の増員、職員への消費税全般の研修実施、調査体制の見直し等、様々な影響があったのです。私は既に査察部勤務でした。消費税を全く知らない訳です。査察が消費税脱税に関係するのは、ずっと後になります。

消費税導入で国税は新時代に入った訳ですが、税務調査の現場は、そう簡単に変化出来なかったのです。二つ目は、kskシステムの導入です。三つ目は、電子申告への取り組みです。この二つ目、三つ目が税務調査にどう影響したかについては、税務調査の歴史③で考えたいと思います。